2019セミナー スケジュールと各セッションの内容

9月17日(火) ジェンダー研究教育についてのセミナー

Session 1 ジェンダー研究教育に関するセミナー(報告:Guro Kristensen、申琪榮)

両大学のジェンダー研究関連専攻のカリキュラム比較とジェンダー研究教育についての意見交換を行った。いずれも学部教育ではコース授業を提供し、大学院には専門専攻の学位取得プログラムがある。NTNUでは修業年限中に論文執筆を計画的に進めるためのカリキュラム設計がされ、お茶の水女子大学では教員ゼミ中心の指導であるといった相違はあるが、ジェンダーについての専門知識の教授について共通の課題も多くあることが確認された。

Session 2:A Pedagogy of Unlearning: Threshold Learning in Gender Studies(報告:Jennifer Branlat)

学術的概念を理解する学習プロセスは、学生個人にとってトランスフォーマティブな経験になり得る。Unlearning、Threshold Learningとも呼ばれるその経験について、Branlat氏が実施する、ジェンダー学を学ぶ大学院生への聞き取り調査をする研究プロジェクトについての報告を聞き、質疑応答を行った。

Session 3:教育ツールPerusallの紹介

Perusall(https://perusall.com)は講義で使用するテキストリーディングのためのプラットフォーム。NTNUでの活用事例についての報告を聞き、プロジェクト内での活用の可能性を検討した。

Session 4:学生および研究者の在外研修(Mobility)についての報告と協議

今年度の実施内容についての報告と今後のプログラム運営に向けた協議を行った。在外研修の事前準備などに使用するための両大学共有のリーディングリストの作成も提案された。


9月18日(水) 共同研究とアンソロジー出版についてのワークショップ

Session 1:アンソロジーエディターミーティング

アンソロジー刊行プロジェクトの基本方針とスケジュールについての協議。エディター3名(Priscilla Ringrose、Guro Kristensen、石井)が出席。

Session 2:ゲストレクチャー「Abolition of Gamete Donor Anonymity」(仙波由加里)

「出自を知る権利」という視点から精子・卵子ドナーの匿名性を廃止しようという、世界的な動きに着目し、オーストラリアとニュージーランドにおける匿名性廃止に至る過程の調査結果から、日本は何を学ぶことができるかを考察する内容。

講師の仙波の出席がかなわなくなったため、石井が事前に準備されていた原稿を代読。NTNU研究者のほか、ノルウェーで生殖医療に携わる医師や、生殖医療により子どもを持った当事者が出席。
質疑応答では、ノルウェー側参加者から、日本社会において生殖医療についての議論がどのようにされているか、人権意識がどのように制度や習慣に反映されているかという点を中心とした質問が出された。

Session 3:共同研究についての会議

出席研究者の研究関心を挙げてもらい、その中から共同研究プロジェクトを編成する可能性を議論した。

Session 4:アンソロジープロジェクト会議

午前に行われたエディターミーティングでまとめられた構想の要点についての全体協議。今後の作業手順についての確認もなされた。


9月19日(木) INTPARTプロジェクト会議(お茶大メンバー)

Session 1:お茶大院生のNTNU在外研修についての視察と聞き取り

本学から初の派遣院生としてノルウェーに約1ヵ月滞在して、NTNUを拠点に研究・調査を行った下川自子博士前期課程生から、現地での生活・学習環境についての聞き取りをした。

Session 2:INTPARTプロジェクト会議

19日から合流したメンバーへの17~18日のミーティング内容のブリーフィングと20日の予定および今後の事業に関する打ち合わせ。


9月20日(金) 今後の事業展開に向けたミーティング

Session 1:アンソロジーエディターミーティング

18日のアンソロジープロジェクト会議での議論を基に構想を練り込み、今後のスケジュールを確認。

Session 2:NTNU学内誌の取材

本プロジェクトおよび今回のミーティングの成果についての取材をNTNU側メンバーと共に受けた。

Session 3:NTNU院生とのミーティング

来年度の修士院生のMobilityプログラム参加者勧誘を主目的とする学生・教員・研究者参加のミーティング。石井がお茶の水女子大学およびジェンダー研究所についてのプレゼンテーションを行った後、質疑応答および意見交換の時間を持った。